考察しなくてはいけないと自分が思う和音を一通り図面化し終わった。
もちろんこれ以外にも純粋に「3和音」になる音の組み合わせは相当数あるが、2度で積み上げた和音などは現実には機能しないし、6度、7度なども考察の対象外であることから辞めておく。
きちんと和音として機能するものはルールに従った並び方をしたものであり、それらはほぼ3度和音の延長戦にあり、4度和音、5度和音は既存の3度和音の延長線上で語る事ができる。
しかしながら5度で積み重ねた独特のRoot, 5th, 9thだけのGenuineな響きを3度和音のTension Noteと捉えて済ませてしまうのも問題だとも感じている。
そこには確かに「5度和音の世界観」というものが広がっているし、その可能性を和音が示唆してくれていると感じる。
今一度いまの自分の審美眼をもって4度音楽の世界、5度音楽の世界なども探究したいと思う。
トライアドコードを記憶する事で一番Benefitがあるのはソロギター アレンジメントにおいてだと思う。
ほしいメロディを直感的、且つ理論的にハーモナイズしてリッチなサウンドにすることができる。
後はそこに本来のベース音を最低音として一音付加してあげるだけでソロギター アレンジメントが完成する。
通常のベース音とコードフォームにメロディを付加するというアプローチに比べ格段に自由度が高く、時にはそのままアドリブ メロディさえも可能にするトライアドコード。
それを大量に関連づけて覚えるコンセプトを「ブロック コード」と言うが、Joe Passも愛用したこの考え方をトライアド、そしてクラスターの響きにも適用する事ができれば飛躍的にドラマティックなアレンジメントが容易に作れるようになる。
これはOSで言うならば「マシン言語が違う」という感じ。
音楽やギターの捉え方が根元から違い、その言語のおかげで効率よく、更に新しい機能さえも含んでくるというものだろう。
Webがhtml5へと進化する事や、OS-XによってカーネルパニックしなくなったMacの進化と同じものだと思う。
ギタリストも音楽家も常にOSやデザイン言語そのものを進化させる努力をし、新しいソフトウェア(考え方)を刷新するべきだと思う。
その意味においてバークリー理論はMS-DOSではあるものの、UNIXではないと明言しておきたい。
これら音楽における新しいデザイン言語を発見する事ができる楽器はギターに他ならないと思う。
6弦と等間隔のフレットというプリミティブなデザインは西洋音楽の理論に基づかない自由なデザインだ。
7つの白いダイアトニックと対立する5つの黒いペンタトニックという音楽理論に基づいたデザインの楽器は秀逸ではあるが、その先の新しい言語を探すという目的においてそのデザインは足かせである。
常にギターが先進の楽器であり今なお新しい音楽の中心にいることができるのはギターという楽器のプリミティブなデザインにおける。
言語と共に「デザイン」というものが如何に大切かという教訓にして心に刻みたく思う。
最後にこのサイトを立ち上げるにあたって僕の知性を常に刺激してくださる親愛なる師匠、Tuck Andressさんに最大の感謝を述べたい。
そして僕と共に音楽の真実をみつけようと日々おなじ場所で切磋琢磨する僕の弟子達にも感謝を述べたい。
Thanks !
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